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Salesforce を活用した業務ワークフローの作成(検討編)

2017.12.05
Salesforce
Salesforce を活用した業務ワークフローの作成(検討編)

みなさん、こんにちは。

前回の「Salesforce を活用したビジネス文書の作成」に続きまして、第三弾の業務改善ブログとなります。
今回は、「Salesforce を活用した業務ワークフローの作成」と題しまして、導入前の(検討編)をお伝え致します。

(前回)
https://www.acceluniverse.com/blog/developers/2017/09/salesforce.html
https://www.acceluniverse.com/blog/developers/2017/09/salesforce-1.html

ワークフローの定義

まずは、ワークフローの定義ですが、国際標準化団体であるWfMC(Workflow Management Coalition:ワークフロー管理連合)によると、「ワークフローとは、ビジネスプロセス全体あるいはその一部の自動化であり、これによって文書・情報・タスクが手続きに従って担当者から担当者へ引き継がれる」と定義されています。

例えば、総務部による消耗品の発注など手順が一定で日常的に繰り返し発生する事務手続きや、組織として意思決定を行うための稟議書や起案書など都度判断しなければならない場合など、業務の内容や書類の種類によって回付する人や人数、ステップが異なります。

このように、組織の中で上長や所属部署内外の関係者など複数人が関わる業務を、予め決められた流れに沿って処理すること、またその流れを図式化したものをワークフローと呼びます。

業務ワークフローの作成

では、みなさんは、社内で運用されている業務ワークフローは、どのようにシステム化されていますでしょうか?
一般的には、ロータスノーツやイントラマートと言ったグループウェア製品を活用して、業務ワークフローの作成を実施されていることかと思われます。

しかし、これらのグループウェア製品は、グループ企業全体でのシステム導入形態が多く、導入費用がそれなりに必要であったり、業務ワークフロー自体の設計や作成、本番環境への配備等の作業が情報システム部門でしか対応できないと言った「悪しき前例」が巷では良く聞かれます。

Salesforce でのワークフロー機能の活用

なお、Salesforce にも「ワークフロー機能」は存在していますが、ちょっと意味合いが異なっており、「ビジネスプロセスの自動化」を行う為のルールを定める際に使用されます。
Salesforce のホームページからの引用では、以下の通りとなっています。

「ワークフロー機能を利用し、シンプルなマウス操作でビジネスプロセスを自動化しましょう。 案件の規模が一定額以上になったらメールアラートが自動送信されるようにしたり、案件が次のフェーズに進んだらタスクが自動で割り当てられるようにしたりと、さまざまなプロセスを自動化できます。」

要するに、Salesforce で言う「ワークフロー機能」は、ある条件に達した際にあるジョブが実行される様に自動化したいを満たす為の「ジョブフロー制御」に近いものとなります。
この「ワークフロー機能」を活用して、いわゆる業務ワークフローを作成することは可能ですが、申請や承認用の画面は新規開発が必要であり、回覧資料のファイル添付機能も実装が必要と言う訳で、簡単にご利用できますという世界には程遠いのが現状でした。

Salesforce での業務ワークフローの作成

その様な折、あるお客様より、社内の稟議書・連絡文書の申請・回覧・承認システムを新規に導入したいとのご要望を頂き、Salesforce を活用した業務ワークフローの作成システムがご提案できないものかと早速調査に当たらせて頂きました。お客様のご要件は以下の通りです。

  • ・現状は紙を使った完全なマニュアル作業(承認は押印による)
  • ・申請・回覧・承認の経路は最大6段(申請者→部長→担当取締役→管理部門取締役→社長→取締役会、取締役会には外部取締役も含まれる)
  • ・申請・回覧・承認のパターンが多岐にわたる為にテンプレート化が必須(テンプレート自体の作成は管理者が実施する前提で良い)
  • ・申請の際の申請画面は項目レベルの追加カスタマイズが必須(追加カスタマイズ自体は管理者が実施する前提で良い)
  • ・申請に際し、承認者の差し戻し機能は必須(差し戻しの際は、申請者に戻す・一つ前の承認者に戻すの選択ができると良い)
  • ・稟議書・連絡文書には複数の電子ファイルの添付が必須(添付ファイルはExcel、Word、PDFが主体)

上記のご要望を満たし、可能な限り安価に導入可能な、Salesforce をベースとしたパッケージ製品がありますでしょうか?
以前より注目していた、テラスカイ社のグループウェア製品である「mitoco」が候補として上がりました!
こちらの「ワークフロー」機能を早速ご紹介させて頂きます。

【承認プロセスの見える化でスムーズな申請・承認が可能

経費の処理や稟議申請など、業務に欠かせない申請のプロセスは、企業ごとに予算の幅、事案などの要因で、権限者は多岐にわたります。日本の複雑な商慣習に合わせたワークフローに柔軟に対応できるのが、mitocoのワークフローです。組織情報とも連携することができ、自社にフィットした承認フローを容易に作成できます。また、承認までのフローを予め設定しておき、指定日時での自動有効化ができるので、新規プロジェクト発足時にも便利です。このような設定によりスムーズな申請・承認を実施でき、業務の効率化だけでなく、意思決定のスピードをあげることが可能です。

【状況別に申請データを確認】

画面上部のタブで承認状況別にデータを検索し、現在のプロセスをすぐに確認することができます。
また、申請が届くとmitocoの通知機能でお知らせ。承認者も申請者も、スピーディーな作業が可能です。

【承認プロセスを柔軟に設計】

管理者は、承認プロセスを申請から承認までの流れに沿い一元的に設定することができます。
また、承認ステップと分岐を含むプロセスをフロー図で確認しながら設定することも可能です。

【申請から承認までの流れ】

<申請>
・承認プロセスの利用条件を設定
 申請フォームの内容は、ユーザーなどを設定できます。
・申請データのロック
 申請後は、申請データや添付ファイルを編集不可にすることが可能です。

<ステップ>
・柔軟な承認者設定
 承認として、ユーザー指定、上司、役職、ユーザーグループなど様々な設定が可能です。
・代理承認
 不在時に代理で承認するユーザーを指定できます。
・複雑な承認条件
 1人、半数以上、過半数、2/3以上、全員から承認人数を選択可能です。
・差し戻し
 申請者もしくは過去の承認ステップに差し戻すことができます。

<分岐条件>
・経路の自動判別
 見積の金額や、見積先が法人か公官庁など、申請対象のデータや申請者によって処理を分岐させることができます。

<最終承認>
・申請者への通知機能
 承認時には申請者にメール通知を行います。

【承認バリエーション事例】

・代理承認
 承認権限のあるユーザーが事前に代理承認者を指定しておくことで、処理を実施できない場合に代理承認が可能です。
・マネージャー承認
 ユーザーオブジェクトのマネージャー項目が自動的に次の承認者として設定されます。上長を個別に指定する必要がありません。
・スキップ承認
 同じプロセスの中に何度も同一ユーザーが登場する場合、一度目の承認に基づき、2回目以降の承認も実施したことになります。
・ユーザー指定承認
 申請者又は承認者が次の承認者を指定することができます。

うーん、なんとか使えそうな雰囲気になってまいりました。
今回はここまでとさせて頂き、次回は Salesforce を活用した業務ワークフローの作成(設定編)にて「mitoco」ワークフローの設定手順を解説させていただきます。

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