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京都・夏の終わりの行事② : 地蔵盆
こんにちは、マーケティング部の髙橋です。
前回の「五山の送り火」に続き、もう一つ京都の夏の終わりの行事をご紹介します。今回は「地蔵盆」です。
地蔵盆は、8月中旬から下旬にかけて、京都市内の町内ごとに行われる子供のための行事です。町内に祀られているお地蔵さまをお出ししてテントを張り、15歳までの子供たちを主役に、数珠回しや福引、各家庭へのお下がりやお菓子の配布などが行われます。この時期、市内のあちこちでテントが立ち並ぶ光景が見られます。
面白いのは、それぞれの町内ごとにお地蔵さまにまつわるエピソードがあることです。「うちのお地蔵さんはこんなに歴史が古くて由緒正しい」など、町内ごとに小さな誇りがあるようで、他の町内の方のお話を伺ったりすると、なかなか奥が深い世界です。
今年は、準備する側になりました
実は今年、町内会の役員が回ってきて、地蔵盆の準備を担当することになりました。テント設営の段取りや、お供え物・各世帯に配るお菓子の手配、当日の進行確認、夜の懇親会の準備など、細かい作業がいろいろとあります。
平日の日中に役員同士の集まりがあったり、動かなければならない用事も多く、最初は正直「仕事もあるのに大変だなぁ」と思っていたのですが、フルフレックスで働いているおかげで、お昼休みの時間を少し延長したり、合間に外出をはさんだりしながら、無理なく両立することができました。町内のこうしたお仕事にしろ、普段の子供たちの学校の用事にしろ、勤務時間を調整しながら進められるのは大変助かっています。
旅に出ているお地蔵さん
準備を進める中で、毎年ちょっとした話題になる、涼しい?話があります。
私の町内には、今は2体のお地蔵さま(正確には3体)が祀られているのですが、実は昔、町内の一角にもう1体、小さな祠に入ったお地蔵さまがいらっしゃったそうです。ところが、そのお地蔵さまは地蔵盆の日になっても出されることがなく、毎年ひっそりと祠の中のまま。
不思議に思った、今年一緒に役員を担当している方が、昔、そのお地蔵さまに一番近いお家の方に「ここのお地蔵さんは出さへんの?」と尋ねたことがあったそうです。すると返ってきた答えが、
「ここのお地蔵さんは、旅に出たはんねん」
......旅、いずこへ......。
そのお家の方の言葉の真意は誰も分からないまま月日が流れ、今ではそのお家自体が建て替えられたり区画が変わったりしていて、祠もすでに無くなっています。「あのお地蔵さん、一体どこ行かはったんやろか......」と、今も準備の合間にちょっとした話題です。京都の町内には、こういう小さな謎が他にもひっそり眠っているのかもしれません。
【後日談】お地蔵さまのその後
これは、そのご家庭が昔々、ある修行僧からお預かりしたお地蔵さまだったそうです。いろいろあって、お知り合いのお寺にご相談されたところ管理していただけることになり、お引越しされたとのことでした。よかった、よかった。
地蔵盆、当日の様子
この日も絶好の地蔵盆日和。太陽も絶好調で、暑さも絶好調でした(苦笑)。
7:00 朝早くから町内の方が準備に集まり、今年もお地蔵さまを祀る祭壇が作られ、飾り付けをしたり、テント設営にご協力いただいたりしました。町内の方のガレージをお借りして、みんなでお供え物や飾り付けの準備を進めていきました。
10:00 町内の皆さんが続々とお参りに来てくださいます。一年に一度、祠からお出になったお地蔵さまも、心なしか嬉しそうです。
(まずは小さな参拝者)
テントには子供たちの名前が入った提灯がぶら下げられます。男の子は白、女の子は赤の提灯です。
(うちの子供たちの提灯も飾っていただいています。)
11:00 「数珠回しどっせー」の掛け声とともに鐘を鳴らしながら町内を一周し、ご近所にお知らせします。これは子供たちのお仕事です。

大きな数珠をみんなで囲んで回す「数珠回し」。子供も大人も一緒になって、お経を読んでいただいている間、大きな輪になってぐるぐる回します。大きな黄色い房が自分のところに来たら、手を合わせてお願い事をします。10メートルほどある巨大数珠です。

13:00 福引きやスイカ割りの時間。「最近はなかなか大玉スイカを買うことなんてないなー」「甘ーい」など、皆さん会話もはずんで楽しそうです。

15:00 夕方になるとお地蔵さまのお片付けやお下がりの配布が始まります。お砂糖やお醤油、お素麺、そしてお下がりのお干菓子やお餅、厄除けの人形などをいただきます。
19:00 最後のお楽しみは夜のミニ懇親会です。冷たい飲み物に、近くのちょっと有名な美味しいコロッケ屋さんのお惣菜やピザで慰労の時間です。子供たちは花火を楽しみ、大人はお酒片手にみんなでワイワイ。

準備は大変でしたが、町内の顔ぶれを久しぶりにゆっくり見られる、いい機会にもなりました。
昔は2日にわたる大行事でしたが、コロナを機に今は1日に短縮されました。なかなか大変な行事でもあるので、最近では実施を取りやめる町内も増えてきているようですが、それでも規模は小さくなりながら、週末にはあちこちでそれぞれテントが出されていました。
「あー、ここはこんなふうに飾り付けしたはるわぁ」なんて、通りすがりに眺めるのもちょっと面白いです。
我が家の子供たちも今や中高生となり、部活などであまり参加できなくなりましたが、幼稚園から小学生くらいの頃は、年の近い子たちと上から下まで一緒になって、福引きやスイカ割り、金魚すくい、「鬼ごっこ」に「かくれんぼ」と、汗だくになって朝から晩まで楽しんでいました。
おわりに
送り火に始まり、地蔵盆で締めくくる京都の夏。
どちらも、ご先祖さんやお地蔵さまを通じて、家族や町内のつながりを思い出させてくれる行事だなと、毎年改めて感じます。大変だなぁと思うこともありますが、形は多少変わりながらも、順繰りに長く受け継がれていくのはすごいことだなと思います。
アクセルユニバースには全国各地に社員が在籍しているので、またそれぞれの土地ならではの行事の話を聞いて、お届けできたらと思います。
2回にわたってお届けした「京都・夏の終わりの行事」シリーズですが、最後までお読みいただきありがとうございました。
あわせて読みたい:京都・夏の終わりの行事①:五山の送り火