DEVELOPER’s BLOG

技術ブログ

[AWS re:Invent2025 速報] 見逃せない!?AWS MCP ServerのPreview開始!

2025.12.05 横山 和音
AWS 生成AI
[AWS re:Invent2025 速報] 見逃せない!?AWS MCP ServerのPreview開始!


  • はじめに
  • 基本の確認:MCPサーバーとは何か?
  • AWS MCP Serverの核心機能
  • AWS MCP Server:何が嬉しい?!

  • はじめに

    Amazon Web Services(AWS)が2025年11月30日に「AWS MCP Server」をプレビュー版として公開しました!

    参照:AWS announces a preview of the AWS MCP Server

    「本番VPC作っておいて。」とAIエージェントに指示を出せば、AWSコンソールやCLIを触ることなく適切な設定で本番VPCがデプロイされる・・・ころころと変わる画面仕様やAPI仕様にエンジニアが右往左往する時代はもう終わり!!そんな未来が近づいているのかもしれません。

    「AWS MCP Server」は、自然言語を通じてAIアシスタントやエージェントに対し指示を出すと、安全にベストプラクティスに従った形に整形された状態でAWS APIを呼び出すことを可能にした、リモートMCPサーバーです。

    この記事では、AWSを利用する開発者、インフラエンジニア、そして技術的な意思決定者の皆様向けにAWS MCP Serverの機能と利点をざっくり解説していきます。

    基本の確認:MCPサーバーとは何か?

    AWS MCP Serverを理解するためには、まずその基盤技術である「MCP(Model Context Protocol)」および「MCPサーバー」の基本概念を整理する必要があります。

    MCPとは、「AIモデルが外部のツールやサービスと連携するための共通規格(プロトコル)」です。

    MCPの仕組みや導入メリット・デメリットに関して確認したい、という方は当社のこちらのブログ記事をぜひご覧ください。

    参照:実体験でわかったMCPサーバー・クライアントの役割と導入メリット

    AWS MCP Serverの核心機能

    「はじめに」で触れた通り、「AWS MCP Server」は、自然言語を通じてAIアシスタントやエージェントに対し指示を出すと、安全にベストプラクティスに従った形に整形された状態でAWS APIを呼び出すことを可能にした、リモートMCPサーバーです。

    実は元々「AWS Knowledge MCP」(知識を呼び出すためのMCPサーバー) および AWS API MCP(機能を呼び出すためのMCPサーバー)が存在していましたが、今回の「AWS MCP Server」により、ひとつの窓口(リモートMCPサーバー)で「知識の呼び出し」と「機能の呼び出し」を行えるようになります。

    AWS MCP Serverでは、以下の3つの機能が提供されています。


    • エージェントSOP(Agent SOPs)

    AIエージェント用の「標準作業手順書」の意味です。

    エージェントSOPが用意されていることで、AIアシスタントがAWSのベストプラクティスとセキュリティガイドラインに従って、複雑な複数ステップのタスクを完了できるようになります。

    ただ「AIエージェントがAWSのAPIを呼び出せる」だけでは「安全」とは言えません。自然言語の指示に従って無限の可能性の中からAIアシスタントがどのAPIを使うか勝手に判断するのではなく、エージェントSOPという、十分に検証された、信頼できる選択肢の中から最適なものを選択することで、セキュアでベストプラクティスに沿ったAWS上のリソース構築・運用を行うことができます。

    用意されているエージェントSOPの例としては本番環境対応VPN(マルチAZサブネットとNATゲートウェイを備えた構成)作成ワークフローやモニタリング(CloudWatchアラームとSNS)設定、Amplifyを利用したWebアプリケーションの構築・デプロイなどの例があげられていました。

    詳しくは公式ドキュメントをご参照ください。

    具体的にこうしたい、という指示ができない場合、エージェントに現在利用可能なツール(ワークフロー)を使って計画を立てて、と依頼して対話型で設計を検討することもできるそうです。心強い!

    また、どんなSOPが用意されているのかもエージェントに聞いて確認することができます。


    • ナレッジツール(Knowledge Tools)

    本番環境におけるAIの「ハルシネーション(誤った情報をそれっぽく回答してくるやつのこと)」リスクを低減させるための重要な機能です。

    最新のAWS公式ドキュメント、APIリファレンス、リージョン別のサービス提供状況などをリアルタイムで検索・参照することで、AIの応答の正確性を向上させます。参照元が確実であることから、安心度がアップしますね。


    • APIツール(API Tools)

    自然言語による指示を、適切なAWS APIコールへと変換し実行する機能です。セキュリティ・ガバナンスの点で最も重要なのが、AWS APIコールは対象のAWSアカウントのIAM認証情報を用いて実行される点です。AWS APIコールは当然CloudTrailに記録され証跡が残りますし、実行できる権限を最小権限の原則に従い制限しておくことで、安全にAIエージェントを利用することができます。


    AWS MCP Server:何が嬉しい?!

    AWSサービスは、増えたり統合されたり廃止になったりと目まぐるしく変化しています。毎日のように新情報がリリースされ、ベストプラクティスもどんどん更新されます。開発者は大量のブラウザタブを開きながらドキュメントを読み漁り、「この構成で本当に安全?」「最新のガイドラインと合ってる?」と不安を抱えつつ設計を進めなくてはいけませんでした。調べる、比べる、検証する......その繰り返しで、実装より調査に時間が吸い取られることも多いのではないでしょうか。(私はそうです・・・)

    そんな長年の悩みに対して、AWS MCP Serverはとても心強い存在になりそうです。「こういう仕組みを作りたいんだけど」と自然言語で相談すると、AIアシスタントが最新のAWSドキュメントを横断検索し、関連サービスを整理し、適切な設計方針までまとめてくれます。必要であれば具体的なAPI操作も実行してくれて、作業が一つの画面の中で完結します。人間側は適宜承認するだけでよく、迷いながら進めていたAWS設計が一気にクリアになります。

    すべてが完全自動になるわけではないかもしれませんが、「とにかく情報を追うのが大変」「正解がどれか自信が持てない」といったこれまでの大きな悩みが、かなり軽くなる未来は感じられると思います。まだPreview版のためか、re:Inventのキーノートでは触れられませんでしたが、今後のAWS管理を大きく変える可能性のある機能と感じます。ぜひ活用していきたいですね!

    最後の最後に・・・怠惰な私の願望としては、もはやMCPサーバーを呼び出すためのセットアップすら面倒なので、マネジメントコンソール上でCloudFormationあたりにチャットウィンドウが用意されていて、そこから相談や作成指示ができたりしたらもっと嬉しいです!!

    関連記事

    AWS Security Incident Response解説!AIが99%のノイズを自動削減

    「セキュリティアラートの50%以上は未対応のまま放置されている」 2023年にIBM と Morning Consultが実施した調査の結果は、セキュリティチームが直面する厳しい現実を示しています。 その原因は、リソース不足と、日々大量に届く通知によるアラート疲労。 アラートが発生しても実際に確認すればほとんどが問題ない。にもかかわらず毎日大量のアラートが通知される。 このような状況では「どうせいつもの過検知だろう」と油断が生まれ、アラートが実質的には機能

    記事詳細
    AWS Security Incident Response解説!AIが99%のノイズを自動削減
    AWS SRE 生成AI
    AWSマルチアカウント管理とは?AWS OrganizationsとIAM Identity Centerを解説

    目次 はじめに 1.AWSアカウントは環境ごとに作る 2.シングルアカウント構成 3.マルチアカウント構成 + AWS Organizations 4.ユーザー管理:IAM Identity Center(旧SSO) 5.【実例】IAM Identity Centerでユーザーを一元管理する おわりに はじめに AWSでクラウドリソースを作成する際、必ず作成するのが「AWSアカウント」です。しかし、プロジェクトが成長するにつれ、単一

    記事詳細
    AWSマルチアカウント管理とは?AWS OrganizationsとIAM Identity Centerを解説
    AWS
    EOL管理のコストと手間を解消!Amazon InspectorとAIで実現する低負担な方法

    目次 はじめに:EOL管理、やった方がいいのはわかっているけど...... 1.EOL管理には、3つの壁がある 2.Amazon Inspectorと生成AIで実現する、第三の選択肢 3.実際にやってみました 4.低コスト・低負担で運用を続けられる 結論:EOL管理は、思っているほど大変じゃない はじめに:EOL管理、やった方がいいのはわかっているけど...... EOL(End of Life)をしっかり管理することは、ソフトウェアの

    記事詳細
    EOL管理のコストと手間を解消!Amazon InspectorとAIで実現する低負担な方法
    AWS 生成AI
    DevOps Agentとは?マルチクラウド時代の自律型AI運用ガイド

    マルチクラウドやハイブリッド環境が当たり前になったいま、SREやDevOpsチームの皆様は、こんな悩みを抱えていないでしょうか。 サービスと環境が増え続け、全体像が誰の頭にもない 各社クラウド・オンプレが入り組み、障害原因の切り分けに時間がかかりすぎる デプロイ起因の障害はコード変更まで追うのが大変 こうした課題を打破するのが、2026年3月に一般提供開始された「AWS DevOps Agent」です。 本記事では、その概要とAIエージェントを真の戦力にす

    記事詳細
    DevOps Agentとは?マルチクラウド時代の自律型AI運用ガイド
    AWS SRE 生成AI

    お問い合わせはこちらから