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海外機械学習事例|再生可能エネルギー普及に向けて

2020.03.05 竹中 涼香
利用事例 機械学習
 海外機械学習事例|再生可能エネルギー普及に向けて

エネルギー分野における課題

エネルギーの供給と消費は金融および社会環境コストの観点から企業・国民のリスクの1つであるため、現在は再生可能エネルギーへの関心が高まっています。 ブルームバーグ・ニュー・エナジー・ファイナンスのニューヨークに拠点を置くアナリスト、カイル・ハリソンは以下のように話しています。

「100%再生可能エネルギーを使用すると宣言している企業もある。そのような企業の増加により、政府の補助金に関係なく、再生可能エネルギーの活用検討が促進される。」


再生可能エネルギー分野におけるAI・機械学習活用可能性は、気象予測の改善だけではなくエネルギー消費要因全般にも関連しています。 今回は海外事例から再生可能エネルギー分野のさらなる可能性を紹介します。


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機械学習を活用した事例 5選

再生可能エネルギー需要量予測

特定の日においてエネルギー需要がどれだけ発生するか予測します。 過去の時間ごとのエネルギー消費量データを機械学習に学習させて予測モデルを作成します。 正確なエネルギー需要と消費を予測することで、施設や建物の管理者、エネルギー会社、公益事業会社が省エネポリシーを展開するために使用できます。企業では予測データを活用し、運用とエネルギー貯蔵システムを最適化する方法を計画立てることができます。 また、顧客ごとに必要エネルギー量を予測し、最適な契約容量を提案することで、エネルギー費用のコストを最小限に抑えることができます。


再生可能エネルギーの供給量予測

ドイツでは既に再生可能エネルギー分野において機械学習が活用されています。 たとえば、エネルギー量の不足を事前に察知するために、国内の風力タービンとソーラーパネルのリアルタイムデータを分析して用意できるエネルギー量を予測します。2日間分のエネルギーが用意できるかどうかを基準として不足可能性があるとアラートで知らせます。

また、IBMでは再生可能エネルギーのために天気パターンを予測支援できる機械学習のシステムを独自に開発しました。 Self-Learning Weather ModelおよびRenewable Energy Forecasting Technology(SMT)と名付けられ、1,600の気象観測所、太陽光発電所、風力発電所、および気象衛星から取得したデータを分析します。SMTの天気予報は、National Weather Serviceがまとめたものよりも最大30%正確です。

上記の2つの事例は再生可能エネルギーの収集量を予測するために役立っています。


再生可能エネルギーの最適価格決定

需要と供給が予測できるようになったことで、エネルギー価格の最適値を予測することができます。従来の価格設定システムに比べていくつかの利点があります。

  • ニューラルネットワークは人では管理できない膨大な量のデータを分析できる
  • エネルギーの供給と需要の間の非線形相関を学習して、直感に反してデータに基づいた設定価格を推奨できる
  • ビッグデータ主導の価格戦略は可視化できる
  • 価格管理者の業務時間を短縮し、高レベルの意思決定のみが業務として残すことができる


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風速変動予測による風力発電地の検討

マサチューセッツ工科大学(MIT)の研究者は、一定期間の風速の変動をより迅速に予測できるシステムを開発しました。 このシステムにより、公益事業会社や再生可能エネルギーの新興企業は、風力発電所の候補地をより早く見つけられます。 候補地発見のためのデータ収集は電力会社がおこなうと、最大で12か月程かかりますが、MITが開発したような機械学習を活用したシステムでは、わずか3か月のデータに基づいてモデルを作成します。しかも従来のデータ収集よりも正確に予測ができます。


エネルギー消費量を利用した機器異常の検出

機械学習でエネルギー消費を常に監視、分析し、異常を検出します。 電力が消費されている中でどこでどのくらい電気が使用されているかを確認するのは難しく、機器の誤動作を検出することも難しいです。システムに障害が発生したり、構成が誤っていると、火災などの悪影響が生じる可能性があり、このシステムは大きな経済的損失を防ぎます。

人工知能アルゴリズムの開発により、スーパーマーケット、高校などを自動的に定義し、エネルギー消費に基づいて異常をリアルタイムで検出および分類できます。このようなソリューションは、リアルタイムでエネルギー消費の異常を自動的に検出し、非常に迅速に意思決定できるユーザーに通知します。大きな経済的損失を避けるのに役立ちます。


今後のエネルギーの移り変わり

最近まで再生可能エネルギーは予測不能であったこともあり、現時点では世界のエネルギー需要を満たすために化石燃料は必要不可欠です。 AIも化石燃料の探査・生産コストを削減し、配送を合理化することで化石燃料の供給を支援しています。

AIは、再生可能エネルギーと同じくらい化石燃料を強化できますが、化石燃料の持続不可能性が考慮すると、長期的に見た理想的なシナリオではありません。
最終的には、再生可能エネルギーが化石燃料に取って代わると予想され、AI・機械学習の活用は再生可能エネルギーの普及を助けるために役立っていくでしょう。


当社でもAI・機械学習を活用した課題解決をご提案しております。


アクセルユニバースの紹介

私達はビジョンに『社会生活を豊かにさせるサービスを提供する。』ことを掲げ、このビジョンを通して世界を笑顔にしようと機械学習・深層学習を提案しています。

  • ミッション(存在意義)
    私達は、情報通信技術を使って万物(全ての社会、生物)の暮らしをよりよくすることに貢献し、 それを加速させることを使命とします。

  • ビジョン(目標とする姿)
    社会生活を豊かにさせるサービスを提供する。

  • バリュー(行動規範)

    1. 変化を求め、変化を好み、変化する
    2. 自分の高みを目指してどんどん挑戦する
    3. お客様と一蓮托生でプロジェクトを進める


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